突合作業を80%削減、毎月5日分の業務リソースを捻出し経理DXを推進!(株式会社フジタ商会様)

2025-06-11
2025-06-11
左から藤田常務取締役、山口氏
(左から藤田常務取締役、山口氏)

静岡県静岡市に本社を構える株式会社フジタ商会様は、創業から50年以上、工場用品の販売を通じて、地元のものづくり企業を支えてきました。しかし取扱商品数の増加により、仕入・納品・請求書管理などバックオフィス業務の負担も増大。この課題を解決すべく導入されたのが、Excelアドイン型の証憑突合システム「ジーニアルAI」です。突合作業の効率化により、経理DXの一歩を踏み出しました。今回は、常務取締役の藤田氏と管理本部の山口氏にお話を伺い、管理部門が挑んだ業務改革と、現場に起きたリアルな変化をお伝えします。

※ こちらの音声は、Google NotebookLM によって AI が生成したものです。そのため、発音や内容が正確でない場合があります。

地域に根ざして50年以上、静岡のものづくりを支えるフジタ商会

地域に根ざして50年以上、静岡のものづくりを支えるフジタ商会

― まずは、御社のビジネス内容について教えてください。

藤田:当社は1970年に、私の父が創業した会社です。工場向けの工具や設備を販売する商社としてスタートしました。1974年には法人化し、現在は静岡市に本社、藤枝営業所、中島工場、富士営業所と、県内に4拠点を構えて事業を行っています。

山口:ベアリングやモーターといった動力伝達部品、チェーン、歯車などから始まり、今では作業工具、測定機器など、幅広い製品を取り扱っています。商品数は数百万点にのぼります。

― 御社の強みは何でしょうか。

藤田:静岡県内を中心に、地場に密着した営業活動を展開しています。全国のネット通販企業との競争が激しくなる中でも、当社は「顔が見える」営業を大切にしてきました。お客様に求められたものに対して、できる限り「ありません」とは言わない。特定の分野に限らず、工場で必要とされるあらゆるものをトータルでサポートできる体制づくりを心がけています。

― お二人の社内における役割を教えてください。

藤田:私は、人事、総務、経理、財務といった管理部門全般を統括しています。

山口:管理部門の一員として経理・仕入などの管理業務を任されています。以前は、藤枝営業所で営業事務を担当し、合間に仕入伝票の管理や、納品書と請求書の突合作業なども行っていました。

月に数日を費やす突合作業、見過ごせなかった経理部門の重い負担

月に数日を費やす突合作業、見過ごせなかった経理部門の重い負担

― ジーニアルAI導入前、どのような課題を抱えていたのでしょうか。

山口:毎月、仕入先から届く納品書と請求書を机に並べ、納品書は日付順に並べ直します。そのうえで、1件ずつ目視で突合し、結果を手書きで記録して押印する、という流れです。本社と藤枝営業所の2拠点を合計すると、主要な仕入先だけでも、1社あたり400〜1600枚の納品書があり、主要3社を合わせると請求データだけでも月に3000行以上。全部の突合作業には、2人がかりで合計10日間ほど、主要3社のみでも6日間ほどかかっていました。ただ、通常業務と並行して行うため、どうしても後回しになり、数か月分をまとめて処理することも珍しくありません。当時、業務の非効率、それから処理の遅れを課題として認識していました。

【Before】
・納品書(紙)を用意
・請求書(紙)を用意
・請求書データ(CSV)を印刷
・納品書を日付順に並べる
・納品書と請求書を目視で突合
・結果を手書き、ハンコで管理

― 突合作業が遅れると、どのような問題が起きますか。

山口:本来、売上が計上されると、売上伝票とともに納品書が営業部門から経理部門へ提出される運用になっています。しかし、お客様からキャンセルが発生すると、営業担当者の手元で納品書が滞留してしまうケースもありました。この場合、経理側では仕入状況を正しく把握できません。仕入先によっては「納品後1カ月以内でなければ返品できない」というルールがあり、確認(突合作業)が遅れると返品できず、不要な在庫を抱えるリスクがありました。

また、取引先から請求書が届いていない、もしくは社内で経理に届いていない場合、突合が支払期日前に終われば、漏れを発見することできます。このため、取引先へ再発行を依頼したり、社内の担当者に確認を取ったりして、期日までに支払が間に合うという事例もありました。

藤田:納品書と請求書の照合ができていない状態では、請求書の金額どおりに支払った結果、実際には納品されていない商品に誤って支払ってしまったり、請求金額のミスに気付かず過剰に支払ってしまったりするリスクもありました。経営視点でも、改善すべき重要な課題だと感じていました。

突合作業を80%削減、毎月5日分の業務リソースを捻出し経理DXを推進!

― それらの課題を解決するためにどんな取り組みをされましたか。

山口:突合作業の迅速化を目指し、納品書の整理順を工夫したり、突合チェックリストを作成したりと、現場レベルで運用改善に取り組んでいました。しかし、突合対象となるデータ量が膨大だったため、作業効率には限界があり、根本的な業務改善には至りませんでした。

― どうしてこのタイミングで課題を解決しようとお考えになったのでしょうか。

藤田:コロナ禍以降、仕入先の一部から請求書をデータで受け取れるようになり、デジタル活用を進める良い機会だと感じました。そこに、昨年から管理部門に加わった山口が「この作業はもっと効率化できるのでは」と提案してくれたんです。

山口:以前から、経理業務の中でも突合作業は負担が大きく、「もっと効率化できないか」と感じていました。藤枝営業所で営業事務をしていた時も、仕入・売上管理に関わっていたので、この作業の非効率さはよく分かっていました。

現場の危機感が動かした決断、「使える」と確信したトライアル体験

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― ジーニアルAIを知ったきっかけを教えてください。

山口:取引先からご紹介いただいたのがきっかけです。業務改善を模索している時期だったので興味を持ちました。

― どのように導入の検討を進めましたか。

山口:トライアル版を1か月ほど試させてもらいました。実際に使ってみたら、手作業で3日ほどかかっていた突合作業が、わずか1日で終わることがわかりました。デモでの丁寧な説明もあり、Excelベースの操作なので、特別な知識も不要でしたし、直感的に使える点が安心材料になりました。

ー 導入の決め手は何でしたか。

藤田:現場の作業時間が劇的に短縮されたのを見て、これはもう導入するしかないと判断しました。月額コストも非常にリーズナブルでしたし、費用対効果はすぐに見えていました。難しいシステムだと現場に定着しない懸念もありえますが、ジーニアルAIはその心配がまったくなかったです。誰でもすぐに使える、というのは非常に大きなポイントでした。

作業時間を80%削減!ミス防止と意識改革も後押し

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― ジーニアルAI導入後、突合作業にはどのような変化がありましたか。

山口:ジーニアルAI導入により、主要仕入先、つまり、請求書データ(CSV)を受け取れる取引先3社に関する突合作業を効率化できました。この範囲だけでも全体作業の約4割を占めており、従来6日ほどかかっていた業務が、現在では1日未満で完了しています。作業時間は80%以上も削減され、業務効率が大幅に向上しました。

― 導入後の具体的な業務の流れを教えてください。

山口:まず、納品書をスキャンして電子化し、請求書データ(CSV)をジーニアルAIに取り込み、納品書番号と単価を突合します。そして、不一致が出た箇所だけを確認すればよく、作業手順そのものが根本から変わりました。負担の大きかった手作業を大幅に減らせたことが、最大の効果だと感じています。

請求書・納品書突合作業の業務フロー比較

【Before】
・納品書(紙)を用意
・請求書(紙)を用意
・請求書データ(CSV)を印刷
・納品書を日付順に並べる
・納品書と請求書を目視で突合
・結果を手書き、ハンコで管理
【After】
・納品書(紙)をスキャンでデータ化
・請求書データ(CSV)を取得
・ジーニアルAIで突合処理を実施
・不一致データのみ目視確認、対応

― 突合作業の効率化の他にも、何か効果を感じている点はありますか。

山口:はい、いろいろな効果を実感しています。たとえば、ジーニアルAIでは、納品書と請求書の単価を突合しているので、請求金額に間違いがあった場合にも、すぐに気付けるようになりました。たとえば、本来500円の商品が請求書では5,000円と記載されている場合でも、突合時にエラーとしてリストアップされるため、支払のミスを未然に防げるようになり、安心感が格段に高まりました。

また、現場の意識も変わってきました。ジーニアルAIを導入したことで、突合エラーがすぐに可視化されるようになり、納品書を溜め込んでも、直ぐに発覚します。「すぐに納品書を経理に回そう」という意識が自然と根付くようになりました。結果的に、業務全体のスピード感と正確性が大きく向上していると感じています。

藤田:そのおかげで、返品処理もスムーズになり、返品自体も減りました。以前は、返品期限を過ぎて仕入先に無理をお願いすることもありましたが、今は早い段階で返品対応できるので、仕入先との関係にもプラスに働いています。

― ジーニアルAIの機能のうち、突合以外にも活用している機能はありますか。

山口:はい、必要な情報だけを範囲指定してExcelに転記できる「テキストクリップ」と「テーブルクリップ」という機能が、すごく重宝されています。たとえば、退職した社員が紙でしか残していなかった見積書をデータ化しなければならないときに使います。手打ちなら30分かかる作業が、あっという間に終わるんです。社員からも「すごく助かる」と好評です。

― ジーニアルAIのサポート体制についてはいかがでしたか。

山口:特に困ったことがなかったので、サポートを頼る場面もほとんどなかったです。それくらいシステムがシンプルで、安定しているということだと思います。

さらなる業務改革へ!デジタル化の次なる一手を探して

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― 業務効率化を踏まえ、今後どのような取り組みを考えていますか。

藤田:ジーニアルAIを導入したことで、山口は突合作業だけでも月に2日分のリソースを生み出すことができました。こうして生まれた余力を、考える仕事や他の業務改善に振り向けることで、経理DXを一歩ずつ進めたいと考えています。

山口:現在、ジーニアルAIで効率化できているのは、全体作業の約4割にとどまっています。残りの6割が、請求書データ(CSV)を取得できないアナログな仕入先だからです。今も紙の納品書と請求書を目視で突合している状況です。しかし、ジーニアルAIでは、こうした独自フォーマットの請求書(紙)にも対応できるよう、OCR機能のバージョンアップが検討されていると聞いています。これが実現すれば、さらに突合作業全体の効率化が進むと期待しています。

株式会社フジタ商会

株式会社フジタ商会
住所:静岡市駿河区中田1丁目18番地15号
創業:昭和45年5月
社員:33名(男15名・女18名)
事業内容:工作機械、切削工具、伝導装置、油圧、空圧機器の販売、測定機器、メカトロ・制御機器の販売、工場用品の販売
https://www.kougu-concierge.com

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