エクセルへの転記を自動化する方法|帳票データのAI活用術

「もっと効率的にExcel作業ができたらいいのに……」「Excelへの転記ミスが多く、正確に入力できるようにしたい」このようなお悩みをお持ちではありませんか?
日々の業務で、紙やPDFからExcelへの転記に多くの時間を費やしている方は少なくありません。特に、数字や文字が多い帳票では、正確に入力するだけでも相当な工数がかかります。単純作業に見えても、高い集中力を要し、ヒューマンエラーも起こりやすいのが実情です。
そこで本記事では、「Excelへの転記を自動化する方法」について解説します。あわせて「自動化のメリット」や「自動化に向いている業務」についてもご紹介しますので、ぜひ参考にしてください。
帳票データの入力業務の課題

帳票データの入力は一見シンプルに見えても、実際には多くの時間と手間がかかります。紙やPDFに記載された情報を正確に読み取り、Excelなどに転記する作業は、反復的でありながら高い集中力が求められます。
特に多くの企業が共通して抱えている課題には、以下のようなものがあります。
- 入力に時間と手間がかかる
手作業での入力は、正確性を求められるほど時間と労力を要します。入力量が多いと、その分だけ従業員のリソースを奪い、コア業務に支障が出る可能性もあります。 - 作業が属人化しやすい
マニュアルや運用ルールが整備されていない場合、作業が特定の担当者に依存してしまいがちです。結果として、データの一貫性が保てず、品質がばらついてしまうリスクもあります。 - ヒューマンエラーが起きやすい
マニュアルが整備されていない場合は属人化しやすく、データに一貫性がないために質が低くなってしまう可能性もあります。ヒューマンエラーが起こりやすい点も含めて、データ入力の課題は非常に大きいといえます。
帳票データの入力作業が非効率になる理由

帳票データの入力作業が非効率になる最大の理由は、キーボード入力による手作業で1件ずつ転記している点にあります。帳票のフォーマットが統一されていなかったり、記載内容にクセがあったりすることが多いためです。
手作業では処理スピードが遅くなるだけでなく、入力後の確認作業にも時間を取られます。場合によっては、重要な業務に割くべき時間が圧迫される恐れもあります。
また、入力作業の属人化が進むと、「誰がやっても同じ品質」を保つことが難しくなります。入力が得意な従業員に作業が集中することで、業務の偏りや負荷の偏在が生じるかもしれません。
こうした状況が続くと、業務全体のバランスが崩れ、トラブルにつながる恐れがあります。だからこそ、入力作業を効率化し、誰でも同じように進められる仕組みづくりが大切です。
帳票データ入力を自動化するメリット3つ

帳票の入力作業を自動化すると、業務全体にさまざまな良い影響がもたらされます。中でも以下の3つは大きなメリットです。
- 作業スピードの向上と業務効率化
- 業務品質の安定
- 業務量の変化に柔軟に対応可能
それぞれ詳しく見ていきましょう。
作業スピードの向上と業務効率化
入力作業を自動化する最大のメリットは、処理スピードの大幅な向上です。これまで人が手作業で行っていた処理をAIが瞬時に行うため、1件あたり数分かかっていた作業が、数秒で完了することもあります。
その結果、全体の業務効率が高まり、重要な業務へリソースを振り分けることが可能に。さらに、事務作業の負担が減ることで、残業時間や精神的な負荷の軽減にもつながります。
業務品質の安定
手作業での入力は、担当者によって処理スピードやミスの発生率に差が出やすく、品質のばらつきが課題となります。確認漏れによってミスがそのまま残るリスクもあります。
しかし、自動化すれば、常に一定の精度で入力が行われ、ヒューマンエラーを大幅に抑えることが可能です。また、入力内容の整合性チェックを自動で行えるため、後工程でのトラブルも未然に防げます。
業務量の変化に柔軟に対応可能
月末や繁忙期など、一時的に帳票が増えるタイミングでは、人手だけでは処理が追いつかないことがあります。適切なツールや仕組みを導入しておけば、こうした業務量の波にも柔軟に対応できます。
特別なスキルがなくても運用できる仕組みを整えておけば、他のスタッフと分担しやすくなり、業務負担の偏りも防げます。
帳票データ入力業務を自動化・効率化するための方法

帳票入力業務を効率化するには、以下の3つの方法が考えられます。
- VLOOKUPなどのExcel関数を使う
- VBAでマクロを作成する
- RPAツールを活用する
Excel単体で対応できるのは、VLOOKUPやHLOOKUPなどの関数や、VBAによるマクロの活用です。これらはExcelに標準で備わっており、比較的取り組みやすい方法です。
一方、RPAツールを使えば、Excel内の処理だけでなく、別システムとのデータ連携も自動化できます。たとえば、外部システムからExcelへのデータ転記や、Excelから別システムへの入力など、幅広い用途に対応可能です。複数システムを併用している現場では特に効果的です。
帳票データ入力の自動化に向いている業務

すべての業務が自動化に向いているわけではありません。自動化の効果が高いのは、パターン化されている定型業務です。たとえば、以下のような帳票が該当します。
- 請求書
- 納品書
- 経費精算書
こうした帳票はフォーマットが統一されており、AIが読み取りやすいため、自動化の効果を得やすい傾向にあります。経理・人事・総務・営業など、定型帳票が多い部署で特に活用しやすいでしょう。
ただし、フォーマットがバラバラな帳票や、状況に応じた判断が必要な業務では、自動化が難しいケースもあります。まずは自動化できる部分を見極め、段階的に導入していくことが成功のポイントです。
帳票からExcel転記を効率化するならジーニアルAIがオススメ

ジーニアルAIは、帳票データの読み取りからExcelへの転記までをワンストップで行える、実務に寄り添う経理DXツールです。AI-OCR技術を活用し、請求書の文字情報を自動で読み取り、Excelシートへの転記を一貫して行えるのが特長です。使いやすいインターフェースと高精度な処理能力により、多くの企業で活用が進んでいます。
ジーニアルAIでは、書類(PDF、画像、Officeファイルなど)から読み取ったデータを自動でExcelに転記することも可能です。以下の機能を活用することで、キーボード入力よりも格段に効率的な作業が実現します。
- テキストクリップ
書類に埋め込まれたテキストがなくても、範囲選択することでAIが文字を読み取り、テキスト化します。1件ずつの書類処理に最適です。 - テーブルクリップ
書類内のテーブル情報をまとめてExcelに転記できます。明細情報を取り込んで数百のセルを一括転記できるので、手作業による入力工数を大幅に削減できます。
どちらの機能も転記の正確性が高く、ミスによる再作業や修正の手間も抑えられます。ジーニアルAIを導入することで、経理担当者は入力作業から解放され、より付加価値の高い分析業務や改善活動に集中できるようになります。
ジーニアルAIの導入効果と活用事例のご紹介

【食品業・経理部門】
課題:
見積書・請求書の手入力に多大な作業を行っており、月初には約30件の請求書処理に2日間を要していました。特に桁数の多い番号や金額の入力ミスが発生しやすく、それに起因するストレスも大きな課題でした。
導入した製品:
この課題を解決するために導入されたのが、Excelアドイン型の自動転記ツール「ジーニアルAI OCR」です。
導入の決め手:
手書き文字にも対応したOCR精度の高さと、書類上のデータをマウスで選択するとそのままExcelに貼り付けられる「クリップ機能」の高い実用性でした。
導入効果:
- 入力ミス(例:「03」と「30」の誤り)が大幅に減少
- 1件あたりの処理時間が15分 → 10分に短縮
- 月初処理の2〜3時間分を削減
- 業務負担とストレスが軽減され、前向きに仕事へ取り組めるように
- 他部署でも「自分たちも使いたい」という声が上がり、現場主導のDXが社内に波及
- 属人化の防止にも効果あり
【卸売/小売業・経理部門】
課題:
取扱商品数の増加に伴って大きな負担が発生。主要仕入先だけで月3,000行以上もある請求データの手作業による突合処理に6日間を要していました。処理の遅延や支払いミス、在庫過多のリスクが顕在化していました。
導入の決め手:
コロナ禍で請求書のデジタル化が進んだことを契機に、管理部門の提案で「ジーニアルAI」をトライアル。作業効率化による時間削減効果を検証でき、Excelベースで操作が簡単である点から導入を決定。
導入効果:
- 主要3社の突合作業が6日間 → 1日未満に短縮(80%以上削減)
- 「不一致データのみを確認する」効率的な業務フローが確立
- 請求金額のミスを即座に発見でき、支払いリスクを回避
- エラーの可視化により、現場の意識と処理スピードも向上
- 毎月5日分の業務時間を創出し、DX推進や付加価値業務に充当
- 「テキストクリップ」「テーブルクリップ」機能で紙の見積書入力も効率化
- 安定したシステムのため、導入後もサポートを必要としない運用が可能
まとめ

帳票データの入力作業は、企業現場において大きな時間を要する業務のひとつです。そのため、手作業から自動化へと切り替えることで、目に見える効果が得られるでしょう。
今回ご紹介したジーニアルAIのようなツールを導入すれば、作業時間の短縮、ヒューマンエラーの削減、業務の標準化など、さまざまなメリットが得られます。データ入力業務に課題を感じている方は、まずは自社の帳票業務が自動化に適しているかを確認したうえで、導入を検討してみてください。