フランチャイズ(FC)とは:仕組みと加盟のメリットとデメリット
フランチャイズ(FC)と聞くと、多くの人は主に大手のファストフードチェーンやコンビニを想像するかもしれませんが、フランチャイズはそれだけに留まりません。
この記事では、フランチャイズについて分かりやすく解説しています。フランチャイズに参入を検討する際には、その仕組みを理解することが重要です。
また、記事では検討する際に知っておくべき「フランチャイザーとフランチャイジーの関係」や「フランチャイズの仕組み」、そして「加盟する際のメリットとデメリット」についてもわかりやすく紹介しています。
ぜひ参考にしてください。
フランチャイズとは
フランチャイズとは、そもそもどのようなビジネスモデルなのでしょうか。まずは、以下の3点に分けて、詳しく解説します。
1.フランチャイザーとフランチャイジーの意味
フランチャイズとは、ビジネスモデルの1つで、一般的にFCとも呼ばれます。フランチャイザー(本部)がフランチャイジー(加盟店)に商標やノウハウを提供し、それを活用してビジネスを展開する仕組みです。
フランチャイザーはブランドやシステム、人材育成、宣伝などを担当し、ブランド価値の維持やサービスの向上に努めます。一方、フランチャイジーはブランドの使用権や経営ノウハウを利用して店舗を運営し、ブランドイメージの維持・向上に貢献します。ファストフードチェーン店などが典型的な例です。なお、フランチャイジーは独立した事業者となるため、開業届の提出が必要です。
2.フランチャイズと直営店の違い
フランチャイズと直営店の主な違いは、経営の主体にあります。直営店は企業が直接経営を行い、全ての管理とリスクを負います。一方、フランチャイズはフランチャイジーが独立した経営者として店舗を運営する仕組みです。フランチャイザーは主にブランドやノウハウを提供し、直営店と比較してフランチャイズは加盟店各自の自立した経営が特徴です。
3.フランチャイズと代理店の違いは?
フランチャイズと代理店の違いは、商品やサービスの提供方法にあります。代理店はメーカーやサービス提供者の商品を代わりに販売する役割を果たします。一方、フランチャイズはブランドやビジネスモデル全体を活用して独自の店舗を運営する仕組みです。例えば、携帯電話会社の代理店とフランチャイズの区別は、商品の販売に焦点を当てる代理店と、ブランド価値や経営ノウハウを共有するフランチャイズという点にあります。
フランチャイズの仕組み
フランチャイズは、独立した事業者が大企業のブランドやノウハウを利用して事業を展開するビジネスモデルです。フランチャイザーはブランド名や経営のノウハウを提供し、フランチャイジーはそれを活用して店舗を運営します。
店舗経営者として考えている方にとって、大きなブランド力を活用し、低リスクで事業を始める方法として魅力的です。一方で、フランチャイジーには以下の費用がかかります。
- 加盟料
- ロイヤリティ
開業する際は、これらを加味して検討しましょう。経営が軌道に乗れば、フランチャイズは相互依存の関係に基づき、双方にメリットをもたらしてくれます。
フランチャイズに加盟するメリットとデメリット
フランチャイズに加盟するなら、メリットとデメリットを把握しておくことが重要です。フランチャイズには良い点も悪い点も存在し、両方を理解した上での加盟が経営において有益です。
以下に分けて解説するので、ぜひ参考にしてください。
フランチャイズに加盟するメリット
フランチャイズに加盟するメリットは、以下の4点が挙げられます。
- 未経験でも挑戦しやすい
起業初心者や未経験者でも、確立されたブランドやビジネスモデルを利用できるため、挑戦しやすくなります。 - 運営に専念できる
本部が商品開発や運営環境の整備に関する業務を担当するため、加盟者は運営に専念できます。 - ブランド力を利用できる
有名ブランドの知名度を活かし、開業初日から安定した顧客の獲得が可能です。 - 大々的な広告を打ってもらえる
フランチャイザーが大々的な広告を展開することで、集客効果が期待できます。
例えば、国際的ファストフードチェーンのフランチャイズ店では、ブランドの知名度を活用して開業初日から安定した顧客の獲得が可能です。大々的な広告を打ってもらえれば、その効果はさらに大きくなるでしょう。
また、フランチャイザーからは継続的なサポートや研修が提供され、経営ノウハウを学びながら事業を展開できます。運営に専念できる点は、フランチャイズに加盟する大きなメリットです。
フランチャイズに加盟するデメリット
一方で、フランチャイズに加盟すると、以下のデメリットがあります。
- マニュアル通りに運営しなくてはならない
フランチャイズの基準や方針に厳密に従う必要があり、独自性が制約されます。 - ロイヤリティを支払う義務がる
売上に対して一定の割合のロイヤリティを支払う必要があります。 - 状況に合わせて移転や業態変更ができない
フランチャイザーの方針により、柔軟な移転や業態変更が難しいことがあります。 - ブランド力が落ちると悪影響を受ける
ブランドの評価が下がると、加盟店にも悪影響が及ぶ可能性があります。 - 契約終了後に同業種で出店できない可能性がある
フランチャイズ契約終了後、一定期間同業種での出店が制限されることがあります。
これらのデメリットの大部分は、フランチャイザーによる厳格な運営制約に関連しています。フランチャイジーは、ブランドのイメージや基準を守らなければいけません。商品の価格設定や店舗のデザインなど、多くの面で本部の指示に従う必要があります。
東大阪市のコンビニフランチャイズ加盟店で起こった契約解除訴訟では本部の指示に従わずに営業時間を短縮したオーナーが、裁判所から店舗明け渡し命令を受けました。
フランチャイズ加盟を検討する際には、自身の経営スタイルとの適合性を検討することが重要です。
フランチャイズの例
フランチャイズは、様々な業種で広く採用されています。以下では、具体例を挙げながらフランチャイズについて紹介します。
国際的なファストフードチェーンが典型例です。世界中に展開するこれらのフランチャイズ店は、一貫した品質とサービスを提供しています。
例えば、マクドナルドは日本独自のハンバーガーを積極的に販売するなど、各国のニーズに合った経営を行ってブランド価値を高めています。地域密着型で世界的なブランド価値を維持する戦略事例です。
また、コンビニエンスストアもフランチャイズの代表例です。フランチャイザーが提供する商品ラインナップや店舗運営のノウハウを取り入れながら、地域の特性に応じた商品・サービスを提供しています。アルバイトの経験がある方ならイメージしやすいかもしれません。これらの店舗は、独自性を保ちながらも強力なブランド力を活かして展開しています。
フランチャイズは、買取業、清掃サービス、マッサージといった多岐にわたる業種で導入されています。近年では、教育サービス分野でも増加しています。
各企業ごとに加盟料やロイヤリティが異なるため、加盟を検討する際にはこれらのコストを注意深く考慮することが重要です。
まとめ
フランチャイズは、フランチャイザーとフランチャイジーの契約によって成り立っているビジネスモデルです。直営店や代理店と異なり、独立した経営者として店舗を運営することができます。
加盟店として参加することで、ブランド名や事業ノウハウを活用できるため、未経験者や初心者にとってはメリットがあります。ただし、ロイヤリティなどさまざまなコストが発生する点には留意が必要です。
多くの企業が採用しているフランチャイズシステムは、事業を検討する際に比較検討を行う価値があります。メリットとデメリットを注意深く検討した上で、最終的な判断を下すことをお勧めします。