出荷証明書とは?その位置付けやルール、書き方について

2026-04-23
2022-12-12
出荷証明書とは?その位置付けやルール、書き方について

「建築現場で使用する資材が設計通りか確認する必要があるが、どのように証明すればよいかわからない」
「出荷証明書と納品書の違いが曖昧で、どちらを作成すべきか迷っている」
このような悩みを抱えている方は少なくありません。

出荷証明書は、建設業や製造業において、資材や製品が確実に出荷されたことを証明する重要な書類です。品質管理やトレーサビリティの観点から、適切な作成と保管が求められます。
しかし、出荷証明書の書き方や記載項目、類似書類との違いについて、正確に理解している方は意外と少ないのではないでしょうか。

本記事では、出荷証明書の基本から書き方、テンプレート、デジタル化のメリットまで、実務に役立つ情報をわかりやすく解説します。

※ こちらの音声は、Google NotebookLM によって AI が生成したものです。そのため、発音や内容が正確でない場合があります。

出荷証明書とは

出荷証明書の定義

出荷証明書とは、製品や資材が製造元または販売元から出荷されたことを証明する書類です。
単なる出荷の事実だけでなく、出荷された製品の品質や規格適合についても証明する役割を持ちます。
特に建設業では、建築資材が設計図書通りの仕様であることを証明するために、出荷証明書が重要視されています。
また、製造業では、トレーサビリティ確保や品質管理の一環として、出荷証明書が活用されています。

出荷証明書の目的と役割

出荷証明書は、以下の3つの重要な目的を果たします。

  • 品質保証
    製品や資材が規格や仕様書に適合していることを証明します。
    建設業では、手抜き工事を防止し、設計図書通りの施工が行われていることを確認するために使用されます。
    製造業では、顧客への品質保証として、製品の検査結果や製造情報を提供します。
  • トレーサビリティの確保
    製品の製造から出荷までの履歴を追跡できるようにすることで、万が一の品質問題発生時に原因究明や影響範囲の特定が迅速に行えます。
    ロット番号や製造日時を記録することで、サプライチェーン全体での品質管理が可能になります。
  • 法令・契約への対応
    建築確認申請や住宅瑕疵担保責任保険の申請では、出荷証明書の提出が求められる場合があります。
    また、ISO9001などの品質マネジメントシステムでは、記録の保管が要求されるため、出荷証明書の適切な管理が必要です。

出荷証明書と類似書類の違い

出荷証明書と混同されやすい書類との違いを明確にします。

納品書との違い

納品書:

  • 目的:商品の納品を証明する
  • 作成者:販売者(売り手)
  • 記載内容:商品名、数量、単価、金額
  • 提出先:購入者(買い手)
  • 用途:商取引の記録、請求の根拠

出荷証明書:

  • 目的:商品の出荷と品質を証明する
  • 作成者:製造元またはメーカー
  • 記載内容:商品名、数量、品質、規格適合
  • 提出先:施工業者または発注者
  • 用途:品質保証、トレーサビリティ確保

納品書は商取引の記録として使われますが、出荷証明書は品質保証の側面が強い点が大きな違いです。
実務では、納品書と出荷証明書の両方を作成・提出することもあります。

ミルシートとの違い

ミルシートは、鋼材などの金属材料に特化した品質証明書です。

ミルシートの特徴:

  • 材料の化学成分(炭素、マンガン、シリコンなど)
  • 機械的性質(引張強度、降伏点、伸びなど)
  • 製造ロット番号
  • 製鋼メーカーの検査結果

出荷証明書との違い:

  • ミルシート:材料の品質データに特化、鋼材専用
  • 出荷証明書:出荷の事実と基本的な品質を証明、幅広い製品に対応

建設業では、鋼材にはミルシート、その他の資材(断熱材、塗料、建材など)には出荷証明書という使い分けが一般的です。

検収書との違い

検収書:

  • 目的:納品物を確認し、受領したことを証明
  • 作成者:購入者(買い手)
  • タイミング:納品後、検収完了時
  • 用途:受領確認、支払いの根拠

出荷証明書:

  • 目的:出荷したことと品質を証明
  • 作成者:販売者(売り手)または製造元
  • タイミング:出荷時
  • 用途:品質保証、トレーサビリティ

検収書は受け取る側が作成するのに対し、出荷証明書は送る側が作成する点が異なります。
業務フローとしては、出荷証明書とともに製品が送られ、受け取った側が検収書を作成するという流れになります。

出荷指示書との違い

出荷指示書:

  • 目的:倉庫や配送部門への出荷指示
  • 作成者:営業部門や受注部門
  • 用途:社内の業務指示、出荷作業の根拠
  • 対象:社内の物流部門

出荷証明書:

  • 目的:出荷の証明と品質保証
  • 作成者:品質管理部門または製造元
  • 用途:顧客への提出、品質証明
  • 対象:顧客(社外)

出荷指示書は社内文書、出荷証明書は対外的な証明書という違いがあります。
出荷指示書に基づいて出荷作業が行われ、その結果として出荷証明書が発行されるという関係性です。

出荷証明書が必要となる業界

出荷証明書は、業界によって重要性や記載内容が異なります。

建設業における出荷証明書

建設業では、出荷証明書は品質管理と手抜き工事防止の重要な役割を果たします。

主な用途:

  • 壁材や断熱材の品質確認
  • 塗装工事での塗料の品質証明
  • 設計図書通りの資材使用を証明
  • 建築確認申請での添付書類
  • 住宅瑕疵担保責任保険の申請

記載が求められる項目:

  • 資材の品名・品番
  • 規格(JIS規格など)
  • 製造元・製造年月日
  • ロット番号
  • 数量・単位
  • 性能評価番号(該当する場合)
  • F☆☆☆☆(ホルムアルデヒド放散等級、該当する場合)

特に、住宅瑕疵担保責任保険の申請では、出荷証明書の提出が必須となる場合があります。
また、建築確認申請においても、使用する建材の品質を証明する書類として、出荷証明書が求められることがあります。

製造業における出荷証明書

製造業では、トレーサビリティ確保と品質管理のために出荷証明書が活用されます。

主な用途:

  • 原材料の出荷管理
  • 中間製品の工程間移動の記録
  • 最終製品の出荷証明
  • 品質問題発生時の追跡
  • 顧客への品質保証

記載が求められる項目:

  • 製品名・型番
  • 製造番号・シリアル番号
  • 検査結果(合格/不合格)
  • 製造日・出荷日
  • 製造ロット番号
  • 保管条件・有効期限(該当する場合)
  • 試験成績データ(該当する場合)

特に、ISO9001などの品質マネジメントシステムを導入している企業では、出荷証明書の適切な管理が監査で確認されます。
品質問題が発生した際、出荷証明書を基にロット番号を追跡し、影響範囲を特定することができます。

その他の業界

食品業界:

  • 食品の安全性を証明
  • 製造日、消費期限、保存方法の記載
  • トレーサビリティ法への対応
  • アレルゲン情報の記載

医薬品業界:

  • 医薬品の品質保証
  • ロット番号による追跡
  • GMP(医薬品製造管理及び品質管理基準)への対応
  • 製造記録との紐付け

電子部品業界:

  • 部品の品質証明
  • RoHS指令などの環境規制への適合証明
  • 静電気対策や保管条件の記載
  • 製造番号による個体管理

このように、業界によって出荷証明書の役割や記載内容は異なりますが、「品質保証」と「トレーサビリティ確保」という共通の目的があります。

出荷証明書の記載項目

出荷証明書に記載すべき項目を、必須・任意に分けて解説します。

必須記載項目

出荷証明書には、最低限以下の項目を記載する必要があります。

  • 作成日
  • 伝票番号
  • 宛先
  • 自社名
  • 工事件名
  • 施工業社名(*)
  • 納入業者名(*)
  • 請負業社名(*)
  • 出荷日(*)
  • 商品名、品番、数量(*)
  • 備考

*:正しい情報が記載されているかどうか、特に注意して確認しましょう。

出荷証明書作成時の注意事項

さらに、出荷証明書作成時の注意点は次のとおりです。

  • 書式に注意すること
    まず、気をつけなければならないことは、書式です。出荷証明書に記載する項目は同じですが、公共事業の場合には証明書を役所に提出する必要があるため、自治体ごとにフォーマットが決められていないかを確認しましょう。確認せずに作ってしまうと、作り直しになる可能性があります。
  • 製造元がわかるようにすること
    出荷証明書には、「どこが製造したのか」「どのような商品か」を記載しましょう。納入業者や商品名、品番は必須項目となります。
  • 内訳明細を添付すること
    出荷する商品が多い、記載が複雑になる商品があるといった場合には、内訳明細を別紙で添付しましょう。この時、表紙を作って書類を綴じるなど、確認する側が見やすいように配慮することをオススメします。

雛形

出荷証明書は、各メーカーや企業が独自に用意しているものがあります。前述したような基本項目は変わりませんが、業界によって必要な項目を網羅して作っています。また、それらは各メーカーや会社のHPにて公開されていることがあるため、作成する際には参考にすると良いでしょう。

  • 出荷証明書の書き方 書式・様式・フォーマット
    幅広く活用できる雛形がダウンロードできます。エクセル形式でデータをダウンロードし、必須項目をはじめとして使いやすいものを作成しましょう。
  • 各自治体の書式
    各自治体がフォーマットを用意してくれているケースがあります。ご自分が提出する自治体のHPや担当者に確認し、フォーマットがある場合にはそちらを使うようにしてください。無い場合でも、「どの項目を入れるのか」は確認しておきましょう。
    一例として、こちらのURLより北海道旭川市の書式を参照することができます。
  • 一般社団法人 環境共創イニシアチブ
    出荷証明書の目的によって、フォーマットが変わることがあります。こちらでは、記入方法を例示とともに詳しく説明されています。参考にしてみてはいかがでしょうか。
  • 建築業向け管理システム アイピア(出荷証明書 エクセルテンプレート集
    こちらでは、建築業をはじめとした様々な出荷証明書のテンプレートをダウンロードして使用することができます。

出荷証明書の審査における位置付け

出荷証明書は、各自治体における「工作物等の完了検査」時に必要な書類として提出を求められます。また、過去には「高性能建材導入促進事業」などにおける補助金などを申請する際に書類が必要になったケースもありました。

証憑の一つとしての出荷証明書

証憑」とは取引が成立したことを立証するためのものです。正確かつ真実性を担保して記入したという記録を残すため、様々な取引において重要な書類と言えます。
証憑は、税務調査や会計監査などにおいて急に必要になることがあります。保管方法等は決められており、期間も定められています。紛失してしまったということの無いように管理しましょう。なお、書類の保存は一律で7年間の保管義務がありますので、しっかりと守るようにしてください。

確認作業である証憑突合

証憑突合とは、取引の証拠となる資料を監査人が資料や記録と照合して事実や記録の妥当性を確認することです。出荷証明書も、証憑突合のための取引記録や勘定残高の検証に利用されるため、正しく記録を残しておきましょう。

ジーニアルAIを使って証憑突合する

ジーニアルAI

ジーニアルAIは、エクセルのデータと書類を結びつけ、一致する箇所をハイライトし、確認作業を効率化できるエクセルアドインです。エクセルやPDFにおけるチェック作業と転記作業が簡素化され、大幅に時間削減できます。

インストールすると、以下のような機能が利用可能になります。

  • 証憑突合機能
    • Excelシートと書類の自動照合
    • セル選択で関連する書類、一致する箇所をハイライト表示
    • 照合結果をExcelシートへ出力
  • クリップ機能
    • テキストクリップ:書類の文章をドラッグしてExcelシートへ自動転記
    • テーブルクリップ:書類の表を選択してExcelシートへ自動転記
クリップ機能

これらの機能は、膨大なエクセルデータと合致する膨大なPDFを即座に自動マッチングすることができ、業務の自動化が可能となります。

まとめ

今回は、出荷証明書に関する解説等を行いました。出荷証明書は、建築関係で言えば「設計図通りの工事が行われているかを証明することができる」書類です。提出が求められた場合には正しい内容を記入し、提出するようにしましょう。

「出荷証明書」に馴染みがない方や初めて書類を作る人や、「作っておいて」と言われると戸惑ってしまうかもしれませんが、メーカーの情報や量を正しく記載できれば問題ありません。また、それぞれの項目も難しいわけではありませんから、落ち着いて作成しましょう。

参考文献
・KANESO:http://www.kaneso.co.jp/onepoint/45_other/2017/P171201.htm
・東北ペイント:https://www.touhoku-paint.co.jp/shukka/

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