作業報告書とは-【テンプレートあり】作成目的、メリット・デメリットを解説
作業報告書は、作業した内容を社内あるいは取引先に伝える書類です。作業状況や問題点、生産性の改善に役立ちます。しかし、作業内容のポイントを押さえた報告書でなければ、作業報告書は読み手に報告内容を正確に伝えられません。このため、作業報告書を作成する際には注意が必要です。
本記事では、作業報告書の目的や構成、作成のメリット・デメリット、作成時のポイントについて解説します。
作業報告書とは
作業報告書とは、作業を行った内容を報告する書類です。報告先が社内であったり、取引先等社外であったりする場合もあります。ここでは、作業報告書作成の目的および基本的な構成について解説します。
作業報告書の目的
作業報告書を作成する目的には、次の3つの点があります。
- 作業内容および作業状況の共有
- 問題点の共有
- 生産性の改善
1.作業内容および作業状況の共有
作業報告書では、まず一番に作業内容および作業状況を報告しなければなりません。
具体的には、どれだけの時間を作業に要したのかや作業自体の進捗状況など、作業した者でないとわからない内容を克明に記述し、報告を受ける人と共有します。
2.問題点の共有
作業報告書は、問題点を共有する大切な書類です。作業報告書の作成により、トラブルやリスクを回避できるかもしれないからです。
例えば、機械の不具合が発生している場合、作業報告書が無ければ通常通り作業し、トラブルが発生する恐れもあります。
作業報告書は問題点を共有できるツールであるといえるでしょう。
3.生産性の改善
作業報告書には、問題点が指摘されることで報告を受けた側は、生産性の改善を見直せます。
また、リスクの懸念が報告された場合、報告を受けた側にとってはリスクを回避するための善後策の検討が可能となります。
作業報告書は、問題点が可視化できることで、同時に生産性の改善が図れることにもつながります。
作業報告書の基本構成
作業報告書を作成する際には、以下の5W1Hを押さえることが肝心です。
いつ実施したのか(When)
作業開始日および終了日を記載します。
どこで作業したのか(Where)
作業場所を記します。できる限り詳細に示すことが重要です。
誰が作業したのか(Who)
作業者を記載します。複数名で携わった場合、全員の氏名を書きましょう。
何を作業したのか(What)
作業内容について具体的に記載します。
どうして作業したのか(Why)
作業を行った理由を書きます。
どのように作業したのか(How)
作業がどのような方法で行われたかについて説明します。
作業報告書の参考事例/テンプレート例
作業報告書の参考事例として以下の事例を示します。
参考事例
作業報告書の参考事例として以下の形式があります。
テンプレート例
Wordで作成したテンプレートをご利用いただけますので、ぜひご活用ください。
作業報告書作成のメリット
作業報告書作成におけるメリットとして以下の点があります。
- 作業内容を整理し、自分自身の振り返りに役立つ
- 社内外に対し、作業内容が共有できる
- 作業の進捗状況が把握でき、スケジュール管理が立てやすくなる
1.作業内容を整理し、自分自身の振り返りに役立つ
過去の作業内容を確認することで、次回同じ作業を実施する際の参考となり、作業者のスキルアップに繋がります。
2.社内外に対し、作業内容が共有できる
作業報告書は社内、社外問わず、報告先と作業内容が共有可能です。報告を受けた側は、作業内容を分析することで、改善点の可視化が見込めます。作業報告書により、リスクの洗い直しもでき、生産性の見直しに役立ちます。
3.作業の進捗状況が把握でき、スケジュール管理が立てやすくなる
次回の作業ポイントはどこなのか、いつまでに作業が完了できるのか、といった点が明確になります。スケジュール遅延の防止や、作業の品質管理にも役立ちます。
作業報告書作成のデメリット
作業報告書作成におけるデメリットとして以下の点があります。
- 作業報告書の作成に手間がかかる
- 作業報告書の提出がゴールであると認識してしまう恐れがある
- 作業報告書の質が粗雑であると社内外で活用できない
1.作業報告書の作成に手間がかかる
作業を行った事項について、報告者は報告先に詳細な説明が必要なので当然でしょう。
しかしながら、作業報告書の作成に慣れていない場合は、作業以上に時間と労力が必要となることがあります。
この問題に対して、テンプレートを用意するなどして、報告者が論理的でわかりやすい作業報告書を作成することができるようにすることが重要です。
2.作業報告書の提出がゴールであると認識してしまう恐れがある
企業によっては、社員たちが作業報告書の提出がゴールであると誤解してしまうことがあります。
しかし、作業報告書は現状を把握し、将来の改善を検討するための重要な書類であるため、このような認識は避ける必要があります。
社内で認識を共有し、作業報告書を有効に活用することが求められます。
3.作業報告書の質が粗雑であると社内外で活用できない
作業内容は優れていても、報告書作成者が文章力に乏しいために、作業報告書の質が粗雑になることがあります。
その結果、社内外で十分な活用ができなくなることがあります。
この問題に対しては、社内での教育やテンプレートの使用など、作業報告書の品質向上に向けた取り組みが必要となります。
作業報告書作成時のポイント
作業報告書を作成する際のポイントを紹介します。
- 構成を見やすく
- 内容を理解しやすく
- レイアウトをわかりやすく
1.構成を見やすく
作業報告書は、社内外で使用される書類なので、見やい構成を心がける必要があります。
まずは5W1Hを押さえ、タイトルから要旨、詳細につなげていくのが良いでしょう。
詳細から書いていくとスムーズに作成できます。
2.内容を理解しやすく
作業報告書は、多忙な上司や担当責任者が読むことが多いので、理解しやすい内容である必要があります。
結論から書いて、簡潔にまとめるよう心がけましょう。
3.レイアウトをわかりやすく
作業報告書は、レイアウトも重要な要素です。
例えば、見出しと本文の文字サイズを変えるか、書体を統一するか、改行を行って読みやすくするか等があります。
また、図や表を使用することは、エビデンスを視覚的に訴えることができるので、効果的です。
まとめ
作業報告書は、作業内容を社内外に伝える重要な書類です。要点を簡潔にまとめ、5W1Hを押さえることが必要です。
また、構成を見やすく、理解しやすい内容で記述し、わかりやすいレイアウトで作成することも重要です。
作業報告書は、問題点の共有や生産性の改善など、企業にとって意義のある書類です。
しかし、作業報告書の作成に時間がかかり、提出が目的化することもあるため、企業は社内で作成意義や書き方などを十分に教育する必要があるでしょう。